農薬の種類の中に『銅剤』というものがあります。

銅剤とは字から分かるように、10円硬貨などで使用される金属の銅が持つ殺菌効果を利用した農薬です。

銅を作物に散布すると、作物の水分中で銅イオン化します。その銅イオンが病原菌の活動を抑制し殺菌作用を発揮するというものです。

銅剤は農薬の中でも歴史は古く、耐性菌が発生しないとされ、今でも広く使用されています。

 

銅剤を人類が発見するに至った経緯が少し面白いのでご紹介したいと思います。

舞台は、19世紀のフランスです。ワインで有名なボルドー地方での出来事で、ブドウが収穫を迎える頃になると必ず現れるブドウ泥棒対策として、ブドウに色を付けて泥棒の盗る気をなくそうと、硫酸銅と石灰を混ぜた溶液を散布しました。

すると、その溶液を散布した畑はブドウに甚大な被害をもたらす『ベト病』が発生しませんでした。

以降、銅に殺菌効果があることが分かり研究が進みました。

なんだか面白いですよね。

結果的にブドウ泥棒がブドウ栽培に多大な貢献をしたことに…

色々な巡り合わせがあるものですね。

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